観光地や留学先として人気の高いフィリピン。
フィリピンを訪問するにあたり、「治安は問題ないのか?」を気にする方は多いのではないでしょうか?
特に日本は世界的に見て治安の良い国であるため、日本を基準として治安に無頓着であることには危険が伴います。
そこで本記事では、フィリピンの治安の概要やトラブル事例、危険エリアについてご紹介します。
観光や留学でフィリピンに訪問予定の方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
フィリピンの治安は良い?悪い?
フィリピンは治安が悪い、そんなイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
実は、フィリピンの治安は年々改善されつつあり、以前よりも治安が良い方向に向かっているといわれています。
しかし、都市部のマニラや、人気の観光地として知られているセブ島でも、常に何らかの犯罪が起こっていると考えておく必要があるのです。
フィリピン・セブ島の治安

フィリピンの中でも、セブ島は留学や観光で人気が高く、日本からの渡航者も多いです。
筆者は実際に現地での生活を経験しましたが、実際に住んでみた感想としては、そこまで心配するほどではありませんでした。
日本に比べると治安は悪いと感じますが、夜は1人で出歩かない、危険なエリアは避けるなど最低限のことに気を付けていれば大きな心配はありません。
セブ島では留学が盛んなため、女子高生が1人で留学に来ることもあります。
そして、フィリピンは発展途上国ですが、危険度は先進国と比べてみても同じぐらいの数値です。

引用:Numbeo
Numbeoとは世界340都市を対象に犯罪率や大気汚染、生活コストなどの生活情報を簡単に知ることができるようにデータベース化したものです。
夜に1人で出歩くのは避けるべきですが、上記の表で確認できる通り、ロンドンと比べてみるとセブ島の方が危険度は低くなります。
フィリピンで注意したい犯罪・トラブル
フィリピンで頻発しているのは、以下で挙げる犯罪やトラブルです。
- スリや置き引き
- ぼったくり
- 強姦
- 睡眠薬強盗
- トランプ詐欺
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
スリや置き引き
フィリピンで旅行者や留学生が巻き込まれやすいトラブルとして筆頭に挙げられるのが、スリや置き引きなどの窃盗犯罪です。
たとえば、飲食店にバッグを持参して食事をしていたところ、いつの間にかバッグが開けられていて財布とスマホがなくなっているなどがその典型例として挙げられます。また、バッグごとなくなっている犯罪も報告されていますので、フィリピンを訪れたのなら、手荷物は最低限に留め、自分の目が届く場所に置いておくことが大切です。
また日本では、トイレの際にスマホをテーブルに置いたままにしても盗まれることはほぼありませんが、フィリピンではそうはいきません。置きっぱなしのスマホなどは一瞬で盗まれる可能性がありますので、トイレの際にもスマホや手荷物は必ず持っていきましょう。
ぼったくり
ぼったくりもまた、旅行者や留学生が巻き込まれやすい犯罪です。
たとえば、タクシーに乗車したらメーターを回さず、本来であれば40ペソ程度ですむところを100ペソ要求されたなどがその一例です。また、タクシーでお釣りを返さないなどの例もあり、返すように要求したら、「渋滞に巻き込まれたから」「サービスで近道をしたから」など、意味のわからない言い訳をして、お釣りを返さないというパターンもあるといいます。
フィリピンでは「日本人はお金持ち」という認識が広がっていますので、タクシーに乗車する際にも十分に注意を払う必要があるでしょう。
強姦
女性の一人歩きで遭いやすいのは、強姦被害です。
たとえば、人通りが少ないエリアを歩いていたら、武器を突き付けられて強姦された、睡眠薬を飲まされて、気が付いたら見知らぬ部屋で強姦されていたなどがその例です。
睡眠薬強盗
睡眠薬強盗も、フィリピンで起こりうるトラブル事例の1つです。
見知らぬ人から「今度家族が日本に留学に行くから、日本について教えてほしい」や「日本が好きだから、話を聞かせて」などと話しかけられ、一緒に飲みに行こうと誘いを受けます。
そして相手が出してくれた飲み物を飲むと記憶を失い、その間に現金やカードなどの貴重品が盗まれるというケースもあります。
知らない人からもらった飲食物には手を付けないようにしましょう。
トランプ詐欺
トランプ詐欺のきっかけは睡眠薬強盗と似た手口です。その手口としては、現地の人からいきなりフレンドリーに話しかけてきて、家に招待されます。
そしてトランプを使ったギャンブルに誘われ、「これから別の人も来るから、一緒に組んで相手からお金を取ろう、絶対勝てるから」などと言われます。
最終的には勝負に負けてしまい大金の支払いを命じられる。実は、彼らがグルだったという詐欺の一種です。
フィリピンでトラブルに遭わないための注意点
続いて、フィリピンに実際に訪問する際に、身の安全を確保するために注意すべきことをお伝えします。
- かばんは常に前で持つ
- 高価なアクセサリーやバッグを持ち歩かない
- ジプニーには極力乗らない
- ストリートチルドレンに気を付ける
- 持ち歩く現金は必要最低限にする
- 夜間に1人で出歩かない(特に女性)
- 危険なエリアには近づかない
- 安全な地域のホテルに宿泊する
- レストランなどで離席する際、スマホを置いていかない
かばんは常に前で持つ
海外旅行では、かばんは常に前で持つようにしましょう。スリ対策として有効です。
ショルダーバッグ、リュック、トートバッグなど、後ろに背負っていると、知らない間に開けられて盗まれる可能性があります。ポケットも人混みでは狙われやすいので注意が必要です。
貴重品はチャック付きのかばんに入れ、常に前で持つように心がけましょう。
高価なアクセサリーやバッグを持ち歩かない
フィリピン国民は日本人ほど裕福ではなく、貧困層が多いことで知られています。高価なアクセサリーを身につけていたり、高価なブランドバッグを持ち歩いていたりしたら、犯罪者または犯罪者集団に目をつけられて、犯罪に巻き込まれやすくなります。
過去には、高価なイヤリングを奪われた際に耳に大けがを負った例もありますので、高価なものは極力身につけない、持ち歩かないことが大切です。
ジプニーには極力乗らない
ジプニーとは乗り合いバスを意味し、車内は犯罪の温床になっています。中でも多いのが、スマホや財布、旅券などのスリ被害です。
不安な場合は、ジプニーには極力乗らないことがポイントです。
ストリートチルドレンに気を付ける
普通に歩行していたら、突然大勢のストリートチルドレンたちに囲まれて、金品をせがまれるというケースも頻発しています。
ここで、「かわいそうだから」という思いから1ペソでも渡してしまうと、ストリートチルドレンがどんどん寄ってきて、バッグやウエストポーチなどを奪われるといった犯罪に巻き込まれるリスクが高まります。
また、浮浪者のようなみすぼらしい身なりの人物に金品をせがまれるパターンもあります。いずれにしても、犯罪にまきこまれそうだと感じたら、直ちにその場から逃げ出して難を逃れましょう。
持ち歩く現金は必要最低限にする
フィリピン人の多くは、「日本人旅行者や留学生は常に大金を持ち歩いている」というイメージを持っています。
つまり、窃盗事件に巻き込まれるリスクが高いということですので、外出する際に持ち歩く現金は、必要最低限に留め、余分な現金は持ち歩かないよう注意しましょう。
夜間に1人で出歩かない(特に女性)
特に女性は、夜間に1人で出かけないよう注意してください。それは、強姦被害や窃盗被害に遭う確率が高くなるからです。
どうしても夜間に外出しなければならないのなら、1人ではなく集団で出かけるよう注意しましょう。
危険なエリアには近づかない
人通りが少ない通りや街灯が少ないエリアでは、犯罪が起こりやすいと考えておきましょう。
特に貧困層が暮らすエリアでは、日本人をターゲットとした犯罪が多発していますので、十分な注意が必要です。
安全な地域のホテルに宿泊する
フィリピンを訪れる際には、安全な地域にあるホテルに宿泊しましょう。
たとえば、マニラやセブには、日本人が多く宿泊するホテルがありますので、極力そのようなホテルを利用するようにしましょう。
レストランなどで離席する際、スマホを置いていかない
レストランは安全そうに思えますが、実は犯罪多発ゾーンです。そのため、レストランで離籍をする際には、スマホや貴重品を席に置きっぱなしにせず、トイレにまで持っていくなどの対策をする必要があります。
フィリピンで紛失したスマホなどの貴重品は、なかなか手元に戻ってくることはありません。
知らない人について行ったり物をもらわない
見知らぬ人からもらった飲食物を安易に飲み食いするのは厳禁です。睡眠薬など薬が入れられている可能性が高いです。そして、声をかけられてその場で仲良くなったからといって、すぐに信用しないようにしましょう。
人気のない場所や家に連れていかれて、危険な目に遭う可能性が高いです。人を信じることは大事ですが、安易に信じすぎても騙されてしまうことがあるので、フィリピンを含め、海外に行く時は疑うことも大切です。
フィリピンで注意すべき場所
フィリピンでは、あらゆる場所で犯罪やトラブルが起こっていますが、これから紹介する3つの場所は特に注意が必要な場所です。
それでは、フィリピンで特に注意すべき場所を3箇所紹介していきます。
1. スラム街
マニラには「トンド」、セブ島には「パシル」というスラム街があります。
これらのスラム街は、フィリピン人の貧困層でも近寄らない危険地帯といわれていますので、絶対に近寄らないよう注意してください。
このようなスラム街では、窃盗被害だけでなく、生命を脅かす危険にさらされることもありますので、十分に注意しましょう。
2. 空港
フィリピンの空港では、置き引き被害が多発しています。特に「ニノイ・アキノ空港(通称:マニラ空港)とその周辺は犯罪の温床とされていますので、十分に警戒しなくてはなりません。
また、こちらの空港ではぼったくりタクシーも頻出しているので、あわせて注意してくださいね。
3. 公共交通機関
バスやジプニーなどは不特定多数のフィリピン人が利用する公共交通機関で、スリをはじめとする犯罪の温床になっています。
つまり、これらの公共交通機関は極力利用しないように注意する必要があるということです。ホテルから遠方に移動したい場合では、ホテルに依頼して安全性が高いタクシーを呼んでもらうなどで対策をすると良いでしょう。
フィリピン・セブ島の危険エリア
続いて、フィリピンのセブ島で治安の悪いエリアを紹介していきます。フィリピンの語学学校では、学校のルールとして治安の悪いといわれているエリアへの立ち入りを禁止しているところもあります。
裏を返せば、語学学校のルールを守っていれば、基本的には危険な目に遭うことも避けることができるということです。
- コロンストリート
- カルボンマーケット
- マンゴースクエア
それぞれのエリアについて詳しく見ていきます。
コロンストリート
コロンストリートは、ダウンタウン地区にあるセブ最古の通りです。
商店やショッピングモール、露店が立ち並び、セブ島で最も物価が安いと評判のため、現地の人々も多く訪れます。
人通りが多い反面、スリや置き引きなどの軽犯罪が多発しているので注意が必要です。
昼間であっても貴重品は必ず鞄の中にしまい、他人に見られないようにしましょう。特に会計時は、現金をたくさん持っているところを見られるとスリのターゲットになりやすいので注意が必要です。
夜になると、ストリートチルドレンや麻薬中毒者などが現れ、人通りも減ります。夕方には買い物を済ませ、滞在先へ戻りましょう。
カルボンマーケット
カルボンマーケットは、コロンストリートの隣にあります。
食料品や衣類が非常に安く販売されており、多くの観光客や地元の人々でにぎわっています。
コロンストリートと同様に人通りが多く、夜になると街灯が少なく薄暗くなるため、治安が悪くなります。夜間の単独での訪問は、絶対に避けましょう。
マンゴースクエア
マンゴースクエアは、ナイトクラブやバーが立ち並ぶ歓楽街です。
多くの人が飲酒を楽しんでいるため、トラブルが発生しやすい場所として知られています。
バーで仲良くなった人物にスマートフォンや財布をスリ被害にあった事例も報告されています。
深夜帯には、フィリピン人女性による売春行為が活発になり、観光客や留学生がターゲットとなるケースも散見されます。
海外旅行における飲酒は楽しみの一つですが、飲み過ぎによるトラブルには十分注意が必要です。
まとめ
今回は、フィリピンの治安と犯罪例、注意点などについて紹介してきました。フィリピンと日本では治安状況が異なり、日本の治安を基準にしてフィリピンを訪れると、思いもよらない犯罪やトラブルに見舞われるリスクが高まります。
たとえば、スリや置き引きの多発など、日本では滅多に遭わない犯罪に巻き込まれるリスクがあります。そして犯罪に巻き込まれないためには、フィリピンの治安状況をよく理解した上で訪れる必要があります。
こちらの記事では、フィリピンで犯罪に巻き込まれないための対策についても紹介しましたので、ぜひ参考にしていただき、安全な旅行や留学を目指してくださいね。