マルタへの留学を考える際には、あれやこれやと準備に追われます。その中でも、パスポート取得やビザの取得は手続きが面倒というイメージがあるのではないでしょうか。
しかし、マルタ留学では、ビザが必要ないケースもあるのです。こちらの記事では、マルタに留学する際のビザの必要性やビザの種類、取得方法についてご紹介しています。
3ヶ月以内の留学ならビザは不要!
マルタへの留学では、留学期間が3カ月(90日)以内であれば、ビザは必要ありません。
その際には、語学学校の入学手続きや滞在先の確保をしておけば、留学手続きを行うことができます。
一方、留学期間が3カ月を超える場合では、あらかじめ学生ビザを取得しておく必要があります。
シェンゲン協定
シェンゲン協定とは、ヨーロッパにおけるシェンゲン協定地域内で、短期滞在もしくは通過する人が対象となります。
この協定の有効期限は、任意の180日間で最長90日です。マルタはシェンゲン協定加盟国であるため、90日までの留学であればビザが不要です。
なお、シェンゲン協定はヨーロッパの27か国が加盟していますが、ヨーロッパの中でもイギリスのように加盟していない国もあるので、注意が必要です。
また、シェンゲン協定加盟国間であれば、入国あるいは出国の際の手続きは不要です。
マルタのビザの種類
マルタへの留学期間が91日以上の場合では、ビザを取得しておかなくてはなりません。それでは、マルタのビザの種類についてご紹介します。
1. 査証入国(ビザ不要)
査証入国とは、査証を免除された状態で入国許可が下りる入国方法で、ビザの取得は不要です。この場合ではシェンゲン協定による滞在期間が設けられており、90日以内の留学が条件となります。
日本とマルタの間には査証免除取極が締結されているため、90日以内の滞在であれば査証は免除となります。
また、ここで注意していただきたいのは、留学期間のみの日数がカウントさるのではなく、観光で消費した日数も90日にカウントされることです。
留学ついでに観光もしたいという方は、入学の日数と観光の日数をあらかじめ決めておき、スケジュール表を作成しておくことをおすすめします。
2. 学生ビザ
マルタへの留学期間が91日以上になる場合では、学生ビザを取得しておく必要があります。
学生ビザ申請の対象者は、以下に該当する方です。
- 語学留学で91日以上マルタに滞在している
- 大学などに交換・正規留学で滞在している
- マルタまたはシェンゲン協定国に入国後6週間が経過している
そしてもうひとつ、学生ビザではアルバイトをすることも可能ですが、そのためには以下の条件を満たしている必要があります。
- 就労時間を週20時間以内に抑える
- 滞在開始から13週が経過している
- 就労許可申請を完了している
- 学校の出席率が80%を超えている
- 就労許可申請の代金280.50EUR(日本円で45,441円)の支払い済み
つまり、入国後すぐにアルバイトは行えないためこの点には注意が必要です。就労許可申請の代金は、日本円で45,441円と決して安価ではありません。
学業とアルバイトの両立に自信があるか、計画的に就労できるかを慎重に検討した上で、就労許可申請を行いましょう。
マルタへの留学中にアルバイトをする場合では、学業との両立が条件なので、じっくりと検討しましょう。
学生ビザの取得方法
マルタへの留学が決まったら、なるべく早めに学生ビザ取得の準備に入ってください。
学生ビザを取得するにあたっては、申請条件の確認や必要書類の準備など、細かい作業があります。ここでは、学生ビザの取得方法についてご紹介します。
1. 申請条件の確認
学生ビザを申請できるのは、以下の条件を満たしている方です。
- 語学留学で91日以上マルタに滞在している
- 大学などに交換・正規留学で滞在している
- マルタまたはシェンゲン協定国に入国後6週間が経過している
なお、学生ビザは最長1年まで申請が可能ですが、期間を延長して滞在したいという場合では、ビザが切れる2カ月前までに手続きしておく必要があります。
2. 必要書類の準備
マルタへの渡航前には、以下の書類を準備しておいてください。
- パスポートの原本と全ページのコピー
- パスポート掲載サイズの顔写真
- 海外旅行保険の加入証明書
- 通帳の残高証明書
- 入学許可証
- 帰国用の航空券Eチケットのコピー
それでは、ひとつずつ解説します。
パスポートの原本と全ページのコピー
パスポート全ページを擦る際には、未使用ページもすべてコピーしておいてください。また、マルタに入国した際に押してもらったスタンがあるページは、入国後にコピーします。
パスポート掲載サイズの顔写真
パスポート掲載サイズ(縦4.5cm×横3.5cm)の顔写真を2枚用意しておいてください。実際に使用する顔写真は1枚ですが、もう1枚予備を持っておくと安心です。
海外旅行保険の加入証明書
マルタ留学の際には海外旅行保険に加入しておく必要がありますが、保証金額は最低で30,000EUR(およそ486万円)以上なので注意が必要です。なお、表記は英語、原本とコピーが必要ですので、必ずどちらも持参してください。
通帳の残高証明書
通帳の残高証明書は、現地での生活能力を証明する目的で提出しなければなりません。また、表記は英語と定められていますので、なるべく早めに銀行を訪れて、手続きを済ませておきましょう。
入学許可証
現地の学校から発行される入学許可証がないと、就学目的の渡航だということを証明できませんので、必ず提出しましょう。また、在学予定期間については、基本的に現地の学校が用意してくれます。
帰国用の航空券Eチケットのコピー
留学終了後、速やかに帰国することの証明として、帰国用の航空券Eチケットが必要になります。
3. マルタに渡航
必要書類の準備が終わったら、マルタに渡航します。
4. 渡航後の書類準備
マルタに渡航したら、以下の書類を準備します。
- ビザ申請書
- 滞在先の証明書
- 授業料の支払い証明書
- ATMの利用明細とカードのコピー
それでは、ひとつずつ解説します。
ビザ申請書
ビザ申請書は語学学校やCentral Visa Unit Maltaで配布していますので、漏れなく記入しておいてください。
滞在先の証明書
滞在先の確保を確認するためには、滞在先の証明書が必要になります。学校の寮などを利用する場合では学校側で用意してくれます。
授業料の支払い証明書
語学学校に授業料を支払った際の支払い証明書が必要です。この種類もまた、語学学校で用意してくれます。
ATMの利用明細とカードのコピー
申請日の直前にマルタのATMを利用した際のレシートとカードを用意しておいてください。
5. Central Visa Unit Maltaでビザ取得
Central Visa Unit Maltaを訪れて、必要書類を提出し、学生ビザを取得します。
マルタビザ取得の注意点
マルタビザ取得をする際には、以下に注意してください。
1. ビザ申請に費用がかかる
学生ビザの申請には、70EUR(およそ11,340円)の費用がかかります。
2. 簡単な面談がある
学生ビザ申請時には、「入国の目的」や「滞在期間」などについて尋ねられる面談があります。
3. ビザ発行まで一定の期間がかかる
学生ビザは、申請してすぐに交付されるものではなく、申請後3~4週間後、あるいはそれ以上かかることもありますので、入国後すぐの申請がおすすめです。
まとめ
今回は、マルタに留学する際のビザの必要性やビザの種類、取得方法についてご紹介しました。
マルタへの留学を考えた際は、はじめに短期なのか長期なのか、期間の目安を決めましょう。90日以内の留学であればビザを取得する必要はありませんが、91日以上の留学となる場合では、学生ビザの申請が必要です。
学生ビザの申請には時間もお金もかかりますので、留学が決まったらできる限り早めに準備を開始しておいてください。
また、マルタ入国後には学生ビザの申請をしなければなりませんが、交付には数週間かかる場合がありますので、入国後すぐの申請がおすすめです。