マルタは歴史的建造物が多い国として知られています。そして、それらと同様に有名なのが古代遺跡の数々ですが、古代遺跡はマルタの歴史と深い関係があるのです。
こちらの記事では、マルタに古代遺跡が多く残っている理由や、訪れておきたい古代遺跡7選、さらにその他の観光スポットについても紹介していきます。
マルタには古代遺跡が数多くある!
マルタの歴史は大変古いです。紀元前5200年頃に、イタリアのシチリア島から渡来してきた人たちが洞窟に住んだことが始まりだといわれています。
そして気になるのが古代遺跡の数々ですが、その多くはエジプトのピラミッドよりも古い時代に造られたといわれる石造建造物です。
これらの石造建造物は、主として宗教的な意味合いを持って作られた可能性があると考えられています。
マルタ観光で訪れたい古代遺跡7選
マルタの首都ヴァレッタは、聖ヨハネ騎士団によって築かれた街です。街全体が世界遺産に登録されていることから、有名な観光スポットとなっています。しかし、これから紹介する古代遺跡は、聖ヨハネ騎士団がマルタを訪れる以前に建造されています。
それでは早速、マルタの古代遺跡7選の特徴や見どころを紹介していきます。
1.チタデル
チタデルは、マルタのゴゾ島にある大要塞です。城壁に囲まれた景観は、まるで17世紀にタイムスリップしたかのように錯覚させられます。
また、チタデルには「騙し絵」で有名な教会や博物館などもあり、ゴゾ島の歴史や当時の人々の暮らしを伺い知ることができます。特に教会の大聖堂の内部は、ピンクとゴールドを基調とした佇まいがとても美しいです。
ゴゾ島には、その昔海賊の襲撃に遭い、島の住民が奴隷として連れ去られるという悲しい過去があります。しかし現在では、ヴィクトリア街や地中海を一望できる人気の観光スポットとなっています。
2.ハジャール・イム神殿
1840年と1893年にイムナイドラ神殿とともに発掘されたハジャール・イム神殿は、「マルタのヴィーナス」と呼ばれる婦人像が発掘された古代遺跡としてよく知られています。
巨石を積み上げたハジャール・イム神殿は、一見すると無造作に巨石が積み上げられているように見えます。しかし、近寄ると一つひとつの石はブロック状に整えられた状態で組み立てられていることがわかります。
ハジャール・イム神殿の建設方法は謎が多く、手法についてはまだ解明されていません。
ハジャール・イム神殿はヴァレッタからほど近い場所にあるため、ヴァレッタを訪れた際には、ぜひ足を延ばしてみてください。
3.ハル・ハサニエルの地下墳墓
世界遺産に登録されているハル・ハサニエルの地下墳墓は、紀元前3800年~2500年前に造られたとされており、この場所でも「マルタのヴィーナス」と呼ばれる婦人像が発見されています。
この場所は、もともとは共同墓地だったのではないかといわれていますが、詳細については未だ解明されていません。また、内部は3層構造になっており、石室は複雑な構造をしています。
ハル・ハサニエルの地下墳墓は完全予約制なので、見学前には必ず予約するようにしましょう。
4.マルタの巨石神殿群
ジャール・イム神殿をはじめ、イムナイドラ神殿やタルシーン神殿などの巨石神殿が集結しているマルタの巨石神殿郡は、マルタを訪れたら足を運んでおきたい場所です。他の古代遺跡にはない渦巻き模様のレリーフや女神像などを見学できます。
5.ジュガンディーヤ神殿
ジュガンディーヤ神殿は、世界最古の神殿といわれ、紀元前4000年ごろにはすでに存在していたと考えられています。
この神殿は「生命」を表しているともいわれ、遺跡全体が子宮をかたどっていることから、子孫繁栄の願いが込められているのではないかという説もあります。遺跡の周囲に積み上げられている8mにも及ぶ石壁は圧巻です。
6.聖エルモ砦
聖エルモ砦は、ヴァレッタ市街があるシベラス半島の先端に存在する砦で、聖ヨハネ騎士団がオスマン帝国を迎え撃つ際に、より強固な砦に再建設されたといわれています。この砦での抵抗で援軍が間に合い、聖ヨハネ騎士団は勝利の凱歌を上げることになりました。
聖エルモ砦は地中海やヴァレッタ市街を一望できる美しいロケーションが特徴的な場所です。ヴァレッタを訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてください。
7.聖パウロの地下墓地
聖パウロの地下墓地は、約2,000㎡もの広大な敷地に点在している墓地群で、埋葬は4~9世紀ごろに行われたと考えられています。地下墓地の内部には、会葬者が使用したと思われる円形の「アガベのテーブル」や、石で作られた長椅子などがそのまま残されています。
内部は大変広く、見学時間は約1時間みておくと良いでしょう。
遺跡以外にもある!マルタのおすすめ観光スポット
マルタには、遺跡以外にも訪れておきたい観光スポットがあります。ここでは、マルタで有名な観光スポット3選を紹介していきます。
ヴァレッタ地区
ヴァレッタ地区は、街全体が世界遺産に登録されており、「マルタストーン」と呼ばれる初密色をした石灰岩の建築物が特徴的なエリアです。また、歴史的な建造物が多いほか、地中海に面した美しい港も訪れることができることから、人気の観光スポットになっています。
イムディーナ
イムディーナはマルタ最古の都市で、東京ドームの約2倍程度の面積しかありません。しかし、城壁に囲まれたその景観は、中世にタイムスリップしたかのような不思議な感覚を味わえます。
特に聖パウロ大聖堂にある「聖アガタの地下墓地」は迷路のように入り組んでおり、不思議な感覚を味わいたい方にはすすめの場所です。
コミノ島
コミノ島にあるブルーラグーンはマルタで最も美しいといわれるビーチです。コミノ島は無人島であり、フェリーで訪れることができます。透明度が高いビーチは観光客に大人気で、マルタを訪れたのなら足を運んでおきたい場所です。
また、コミノ島には遊覧船ツアーも用意されているため、海上からブルーラグーンの美しさを体感したい方は、事前に予約をしておきましょう。
まとめ
今回は、マルタに古代遺跡が多く残っている理由や、訪れておきたい古代遺跡7選、その他の観光スポットについて紹介してきました。
マルタといえばヴァレッタ市街が有名な観光スポットとして挙げられますが、世界サイトといわれる古代遺跡も、マルタを訪れたなら足を運んでおきたい場所です。なお、紹介した古代遺跡や観光スポットは、見学時間が限られていたり、見学料が発生したりします。事前に確認してから訪れるようにしましょう。